
“農業にもデジタル化の流れ!” っていうけど、
コストもかかるので小規模事業者にはなかなか手が出ない。。。
こんな人のための記事です。

温湿度管理システムくらいであれば、ど素人でも数千円でつくれます!
ノウハウを身につければもっと高度なものにもチャレンジできますよ!

システムってことはプログラミング?とかも必要なんじゃ?

プログラミングは必要ですが、生成AIの助けを借りればできます!
私は物理や数学はからっきしダメ、プログラミング経験もゼロですが、
庭に設置している簡易温室内の温湿度管理システムが作れました。
コードは1行たりとも自分で書いていません😲

コードを1行も?それならできるかもしれない

この記事では温湿度管理システムをDIYするメリット・デメリット、DIYに必要な材料、具体的な作り方などを紹介します!
全ての農業関係者にとって温湿度管理は重要
農業において、温度や湿度の管理は作物の成長を大きく左右する要素です。ビニールハウスなどの施設栽培だけでなく、露地栽培や家庭菜園においても、適切な温湿度管理が発芽や育苗の成功に直結します。特に発芽・育苗期には、日中と夜間で温度帯を調整する必要があり、適切な管理を怠ると生育不良や病害の原因となることも。この記事では、なぜ温湿度管理が重要なのかを詳しく解説します。
露地栽培や家庭菜園でも発芽・育苗管理の胆は温度・湿度
温湿度管理が必要なのはビニールハウスをもっているようなプロ農家だけではない
温湿度管理は、施設栽培のプロ農家だけが気にするものだと思われがちですが、実際には家庭菜園や露地栽培を行う農家にとっても非常に重要です。特に気候の変動が激しい近年では、適切な温湿度管理を行わないと、発芽率の低下や生育不良を引き起こす可能性があります。
例えば、夏の高温期に直まきする場合、地温が高すぎると種子が発芽しづらくなるため、遮光ネットを利用したり、夕方に水やりをして地温を下げる工夫が求められます。一方、冬場の育苗では、低温による発芽遅延や生育停滞を防ぐため、簡易温室や保温資材を活用する必要があるでしょう。
また、湿度の管理も見落とせません。種子の発芽には適切な湿度が必要であり、乾燥しすぎると発芽しづらく、逆に湿度が高すぎるとカビが発生しやすくなるため、バランスの取れた管理が求められます。ビニールハウスがなくても、露地栽培や小規模な家庭菜園において、シンプルな温湿度管理システムを導入することで、発芽率の向上や安定した生育環境の確保が可能になります。
特に発芽・育苗期は、日中・夜間それぞれ別の温度帯管理が必要
発芽・育苗期は、作物の一生を決める重要な時期です。この時期に適切な温度管理を行わないと、成長が遅れるだけでなく、病気に弱くなったり、収量に影響を与えたりする可能性があります。特に、日中と夜間では適切な温度帯が異なるため、それぞれに応じた管理が求められます。
例えば、トマトの発芽適温は25℃前後ですが、夜間の温度が10℃以下になると発芽率が大きく低下します。夜間の冷え込みを防ぐためには、簡易温室や不織布を活用し、適度に保温することが重要です。一方で、日中の温度が30℃を超えると、徒長(ひょろひょろとした軟弱な苗になる現象)が起こりやすくなるため、換気を行って適温を維持する必要があります。
また、ナスやピーマンのような高温を好む作物では、発芽温度を20℃以上に保つことが重要ですが、夜間の気温が低くなると成長が遅れるため、加温設備がない場合は、地温を保持するための資材を活用するのも有効です。
このように、発芽・育苗期は作物ごとに適切な温湿度管理が求められるため、温湿度管理システムを活用してリアルタイムでデータを把握し、適切な対応を行うことが重要となります。特に、低コストで導入できるDIY型の温湿度管理システムを活用することで、より精度の高い育苗管理が可能になります。
温湿度管理システムをDIYするメリット・デメリット
温湿度管理システムを導入する際、商用のSaaS型サービスを利用する方法もありますが、DIYすることで大幅にコストを抑えることができます。また、電子工作やIoTの知識を身につけることで、農業のデジタル化に対応するスキルも向上します。ここでは、DIYで温湿度管理システムを構築するメリットについて詳しく解説します。
DIYのメリットはコスト抑制と自分のスキル向上
温湿度管理システムのDIY最大のメリットは、市販のSaaS型サービスに比べて大幅にコストを抑えられることです。例えば、KDDIが提供する「IoTクラウドStandard 温湿度パッケージ」は、初期費用として約22万円、月額費用として約1万円かかります※2025年2月時点。詳細はリンクをご参照
(出所:KDDI IoTクラウドStandard 温湿度パッケージ)
一方、DIYなら必要な機材を2,000円程度で揃えることができ、ランニングコストもゼロです。例えば、ESP32というマイコン(小型コンピューター)とDHT22という温湿度センサーを組み合わせ、Wi-Fi経由でスマホにデータを送るシステムを構築すれば、簡単に温湿度管理を自動化できます。Wi-Fi環境さえあれば追加コストが発生しないため、長期間運用する場合のコストパフォーマンスは圧倒的です。

私は全てメルカリで揃え、材料費は1,593円で済みました💰
(※モバイルバッテリーやUSBケーブルは自宅にあった古いものを再利用)
また、DIYのもう一つの大きなメリットは、IoTや電子工作のスキルを身につけられることです。実際にセンサーを接続し、プログラムを組むことで、農業分野でも注目されているIoT(モノのインターネット)の基礎を学ぶことができます。最近では生成AIの活用により、「どのセンサーを使えばいいか」「エラーの原因は何か」といった疑問をすぐに解決できるため、初心者でも学びながらシステムを構築することが可能です。
さらに、IoTのスキルは温湿度管理だけでなく、照度・水分・CO2・pHなど、さまざまな環境管理に応用できます。DIYで基礎を学ぶことで、将来的に高度な自動化を実現する際の知識や経験が身につくため、農業のデジタル化を進める上でも非常に有益です。
このように、コストを抑えつつ、IoT技術を学び、農業の効率化に活かせるという点が、DIYによる温湿度管理システムの大きなメリットです。
DIYのデメリットは時間コストと高度なIoT活用は初心者にはハードルが高いこと
DIYには多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。特に、温湿度管理システムを自作する場合、市販のパッケージ製品を導入するよりも時間がかかる点が挙げられます。また、温湿度のセンシングは比較的簡単な部類ですが、さらに高度な環境データを取得・活用しようとすると、IoTやデータ分析の知識が必要になり、初心者にとってはハードルが高く感じられることもあります。しかし、近年の生成AIの発展により、これらの課題は大幅に軽減されつつあります。
温湿度管理システムをDIYする場合、ハードウェアの調達、配線、プログラミング、クラウドとの連携など、ゼロから構築するためのプロセスが多いのが現実です。市販のIoTパッケージであれば、デバイスを設置してアプリを開くだけで利用開始できますが、DIYでは各工程を自分で進める必要があるため、ある程度の学習時間が必要になります。
しかし、近年の生成AI(ChatGPTやGoogle Bardなど)の登場により、初心者でも技術的な疑問を解決しながら作業を進めやすくなっています。たとえば、「ESP32のWi-Fi接続がうまくいかない」「Blynkでデータが表示されない」といったトラブルが発生しても、検索する手間を省き、AIに直接質問することで即座に解決策を得られるため、以前に比べてDIYのハードルは大幅に下がっています。
また、温湿度のセンシングは比較的シンプルな部類に入りますが、農業における環境モニタリングの活用範囲は非常に広範です。照度(光の量)、土壌水分、CO2濃度、pH値、さらには作物の糖度や熟度、酸度など、さまざまなデータを取得することで、より精密な環境制御が可能になります。しかし、これらのセンサーを適切に選定し、データを解析しながら最適な制御を行うためには、ある程度の専門知識と経験が求められるため、DIY初心者がすぐに高度なシステムを構築するのは難しいかもしれません。
ただし、DIYで温湿度管理を行うことを第一歩として経験を積むことで、将来的により高度な環境制御へとステップアップすることも可能です。まずは基本的な温湿度モニタリングから始め、徐々に他のセンサーや自動制御技術を取り入れていくことで、無理なくIoT技術を習得することができるでしょう。
温湿度管理システムDIYには何が必要?
温湿度管理システムをDIYするには、いくつかの重要なハードウェアとソフトウェアが必要になります。ここでは、用意すべき各製品について、概要と購入先、購入時の注意点などを解説します。
結論、以下を用意する必要があります。1つ1つ解説していきます。
- DHT22(温湿度センサー)
- ESP32(マイコン)
- ブレッドボード
- ジャンパーワイヤー
- USBケーブル
- モバイルバッテリー
- Arduino IDE
- Blynk

安心してください。
私もUSBケーブルとモバイルバッテリー以外は全て初耳でした😏
DHT22(温湿度センサー)
DHT22は、温度と湿度を同時に測定できるセンサー であり、電子工作やIoTプロジェクトで広く使用されています。0~100%の湿度と、-40℃~80℃の温度を測定可能 で、精度も高いため、農業分野やスマートホームの環境監視など、幅広い用途に適しています。

こんな見た目です
このセンサーはデジタル出力 なので、ESP32などのマイコンに直接接続でき、アナログ変換の手間がかからないのが特徴です。また、安価で入手しやすく、DIY初心者でも扱いやすい点が大きなメリットです。ただし、DHT22は測定間隔が 2秒ごと に制限されているため、リアルタイム性を重視する用途には不向きな場合もあります。

農業用の温湿度管理なら毎秒把握する必要はないので、
これで十分ですね!
DHT22を購入する際は、プルアップ抵抗が内蔵されているタイプを選ぶ のがポイントです。プルアップ抵抗とは、信号線の電圧を適切に維持するための電子部品であり、これが内蔵されていないと、データ通信が不安定になる可能性があります。
電子工作ステーション:DHT22温湿度センサーモジュール
購入時には、「プルアップ抵抗内蔵」または「モジュール版」と記載されているかを確認 し、配線がしやすいピン付きのタイプを選ぶのがおすすめです。また、DHT22の類似品として 「DHT11」 というセンサーもありますが、こちらは測定精度が低いため、農業用途や正確なデータを取得したい場合にはDHT22を選ぶ方がベターです。
ESP32(マイコン)
温湿度管理システムをDIYする際、センサーから取得したデータを処理し、Wi-Fiを介してクラウドやスマートフォンに送信するためには**マイコン(マイクロコントローラー)**が必要。

こんな見た目です。
ESP32は、Wi-FiとBluetoothの通信機能を備えた小型のマイコンで、IoT(モノのインターネット)向けのプロジェクトに広く活用されています。開発元はEspressif Systemsで、Arduinoのようなマイコンボードと同じくプログラムを書き込んで制御できるデバイスです。
ESP32の主な特徴
- Wi-Fi & Bluetooth搭載:センサーで取得したデータをワイヤレスで送信可能
- デュアルコアCPU:処理速度が速く、複数のタスクを並行して実行可能
- 低消費電力モード:バッテリー駆動のシステムにも適している
- 豊富なGPIO(入出力ピン):センサーやアクチュエーターを複数接続できる
ESP32購入時のポイント
- USBシリアルチップの種類を確認
- CP2102 / CH340 のチップが使われているモデルが一般的
- CH340は一部のPCでドライバーのインストールが必要
- ピンヘッダーが付属しているか
- ブレッドボードで使う場合は、ピンヘッダー付きのものが便利
- 技適マークの有無(日本国内使用時)
- 技適マークなしのモデルは日本国内で使用不可の可能性がある
おすすめモデル: ESP32-DevKitC ESP32-WROOM-32
秋月電子通商:ESP32-DevKitC ESP32-WROOM-32開発ボード 4MB
※メルカリなどで安く仕入れるのもおすすめです

購入時に不安な場合は、生成AIにAmazonなどのリンクや画面スクショを送り、「温湿度管理システムをつくりたいんだけど、これでいける?」と聞けばOKです。

こんな感じで雑に質問しています
ブレッドボード
温湿度管理システムをDIYする際、ESP32やセンサー(DHT22)などの電子部品を接続するためにブレッドボードが必要になります。ブレッドボードを使うことで、はんだ付けなしで簡単に回路を組むことができるため、初心者でも安全に電子工作を始めることができます。ここでは、ブレッドボードの基本と購入時のポイントを解説します。
ブレッドボードとは、電子部品を簡単に接続・試作できる基板のことです。穴の開いた基板の内部に導線が埋め込まれており、部品を挿すだけで電気が通る仕組みになっています。特に、電子工作初心者やプロトタイピング(試作)を行う際に便利で、温湿度管理システムのような小規模な回路の構築に最適です。

こんな見た目です。同じ線上にある穴が内部で連結していて、電流がながれる。
(画像出所:https://iot.keicode.com/electronics/what-is-breadboard.php)
ブレッドボードの基本構造は以下の通りです:
- 中央のエリア(端子列)
- 部品(ESP32、DHT22、抵抗など)を挿して接続するエリア
- 縦方向に電気が通るため、同じ列に挿した部品は接続される
- 左右の電源レール(+ / -)
- ブレッドボードの両端にある赤(+)と青(-)のラインは、電源供給用
- ESP32のVCC(電源)やGND(グラウンド)をここに接続する
ブレッドボードを使用すると、はんだ付け不要で回路を構築できるため、試作や学習用途に適しています。ただし、電流の供給量が大きい場合や、長期間使用する場合は、はんだ付けされた基板(ユニバーサル基板など)に移行するのが望ましいです。
使用するESP-32はピンヘッダー(両端にあるムカデの足みたいなところ)の間隔が広いため、
中央の端子列が1列多いブレッドボードを使用するのが良いです。
(そうでない場合、ブレッドボードを2つつなげるなどの工夫が必要になります)
電子工作ステーション:ブレッドボード(6穴版)
ジャンパーワイヤー
電子工作において、センサーやマイコン(ESP32)を接続する際に欠かせないのがジャンパーワイヤーです。ジャンパーワイヤーは、電子部品同士を接続するための電線です。通常、両端にコネクタが付いており、ブレッドボードやマイコンのピンに挿して回路を構築できます。

こんな見た目です。
はんだ付けをする必要がなく、配線の変更や調整が簡単にできるため、プロトタイピング(試作開発)や学習用に最適です。ブレッドボードを使って配線する場合、はんだ付けなしで回路を構築できるため、初心者でも手軽に扱えます。ジャンパーワイヤーにはいくつかの種類があり、適切なものを選ぶことが重要です。
ジャンパーワイヤーには以下の3種類があります:
- オス-オス(♂-♂, Male to Male)
- ブレッドボードを使用する場合に必要
- 両端がピンになっており、ブレッドボードの穴に挿して接続できる
- オス-メス(♂-♀, Male to Female)
- マイコン(ESP32など)のピンヘッダーとセンサーを直接つなげるときに使用
- 例:DHT22のようなセンサーのコネクタとESP32のピンを直結
- メス-メス(♀-♀, Female to Female)
- 主に基板やモジュール同士を直接接続する場合に使用
温湿度管理システムをDIYする場合、ESP32・DHT22・ブレッドボードを接続するために「オス-オス」タイプのジャンパーワイヤーが必須になります。最低5本あれば回路は成立しますが、今後のセンサー拡張などに備えて少し多めに調達しておいてもいいでしょう。
Amazon:solunaterra ジャンパー線 ジャンパーワイヤ ブレッドボード用ワイヤーセット 14サイズ 収納ケース付き
※メルカリなどで安く仕入れるのもおすすめです
※ブレッドボードなどとセットになっている商品もあります
USBケーブル
ESP32を動作させるためには電源供給が必要で、そのためのUSBケーブルを準備する必要があります。ただし、USBケーブルには充電専用とデータ通信対応のものがあるため、適切なものを選ばないと、プログラムを書き込めないトラブルが発生することがあります。ここでは、USBケーブルの選び方と購入時の注意点を解説します。
USBケーブル購入時には以下の点に注意してください
- データ通信対応のUSBケーブルを選ぶ(充電専用はNG)
※充電専用ケーブルだと、ESP32がPCに認識されず、スケッチ(プログラム)を書き込めないため注意
- USBの規格はESP32のモデルに応じて選ぶ
※購入時に、自分が使うESP32のUSBポートの形状を確認しておく
モバイルバッテリー
ESP32をPCに接続しなくても稼働させるためには、モバイルバッテリーを使用するのが便利です。特に、温湿度管理システムを屋外(ビニールハウスや温室など)で運用する場合は、コンセントのない環境でも長時間駆動できる電源が必要になります。
モバイルバッテリー購入時には以下の点に注意してください
- ESP32は5V / 500mA程度で動作するが、Wi-Fi通信時は1A以上の電流を消費することがあるため、2A以上出力可能なバッテリーが望ましい
- 電源自動オフ機能があると動作しない場合がある
- 容量は5,000mAh以上がおすすめ
- 使っていない古いモバイルバッテリーがあれば再利用OK!
Arduino IDE
ESP32にプログラムを書き込むためには、Arduino IDEという開発環境が必要です。Arduino IDEを使えば、初心者でも比較的簡単にマイコンのプログラムを書いて実行できます。
Arduino IDE(Integrated Development Environment)は、ArduinoやESP32などのマイコンにプログラムを書き込み、動作させるためのソフトウェアです。C++ベースのプログラミング言語を使用し、初心者でも比較的扱いやすい環境が整っています。
「開発環境?なにそれ?」という方。心配ありません。
そっくりそのままChat GPTなどの生成AIに質問しましょう。懇切丁寧に教えてもらえます。
主な特徴は以下の通りです:
- シンプルなUIで初心者でも使いやすい
- ESP32を含む多くのマイコンに対応(追加ボードの設定が可能)
- 豊富なライブラリが利用可能(DHT22の温湿度センサー用ライブラリもあり)
- Windows / macOS / Linuxに対応
Arduino IDEを使えば、ESP32にWi-Fi接続やセンサーのデータ取得のプログラムを書き込み、簡単に動作を確認できます。
Arduino IDE インストール:https://www.arduino.cc/en/software
Blynk
温湿度管理システムをDIYする際、センサーで取得したデータをスマホでリアルタイムに確認できる環境があると便利です。その役割を果たすのが、Blynk(ブリンク) というIoTプラットフォームです。Blynkを使えば、ESP32とスマートフォンを簡単に連携させ、温湿度データを可視化できます。

こんな見た目です。最終的に温度や湿度をスマホやPCに表示させるためのツールですね。
Blynkは、ESP32やArduinoなどのマイコンを、スマホアプリを通じて簡単に操作・監視できるIoTプラットフォーム です。プログラミングの知識がなくても、アプリ上でウィジェット(ボタンやメーター)を配置することで、センサーのデータをリアルタイムでモニタリング できます。
主な特徴:
- ESP32との相性が抜群(Wi-Fi経由で簡単にデータ送信)
- スマホで温湿度データをリアルタイム確認可能
- ダッシュボードを自由にカスタマイズ(グラフ・ボタンなどを追加可能)
- クラウド経由でデータ保存が可能(無料プランでは制限あり)
温湿度管理システムでは、ESP32に接続したDHT22(温湿度センサー)のデータをBlynkに送信し、スマホアプリでグラフや数値として表示する という形で活用できます。
「IoTプラットフォーム?なにそれ?」という方。心配ありません。
そっくりそのままChat GPTなどの生成AIに質問しましょう。懇切丁寧に教えてもらえます。
Blynkのインストール:https://blynk.io/getting-started
温湿度管理システムDIYの手順
ここまでで、温湿度管理システムを作るために必要な機材とソフトウェアが揃いました。ここからは、実際にシステムを構築する手順を説明します。材料の調達から配線、プログラムの書き込み、データの可視化までの流れを、初心者でもわかりやすいように順を追って解説します。
①材料の調達
まずは、温湿度管理システムを作るための部品を揃えます。以下のリストの材料を購入・準備しましょう。
✅ ハードウェア(電子部品)
- ESP32(マイコン):データ処理とWi-Fi通信を担当
- DHT22(温湿度センサー):温度・湿度を測定
- ブレッドボード:回路を作るための基板(はんだ付け不要)
- ジャンパーワイヤー(オス-オス):各部品を接続する配線
- USBケーブル(データ通信対応):ESP32とPCを接続する
- モバイルバッテリー(またはUSB電源アダプター):ESP32の電源供給
✅ ソフトウェア
- Arduino IDE(ESP32にプログラムを書き込む)
- Blynk(スマホで温湿度データを可視化する)
②配線
次に、ESP32・DHT22・ブレッドボードを正しく接続します。
電源やデータの流れは以下のようなイメージです。
【電源】
PC/モバイルバッテリー⇒(USBケーブル)⇒ESP32⇒(赤い線)⇒ブレッドボード⇒(赤い線)⇒DHT22⇒(黒い線)⇒ブレッドボード⇒(黒い線)⇒ESP32と一周して流れるように。
【データ】
DHT22⇒(緑の線)⇒ESP32⇒(USBケーブル / Wifi)⇒PC/スマホ

ど素人の私の配線。ESP32のピンの間隔を把握せずに材料を調達したのでブレッドボードが2枚使った不格好な形に。。。でも問題なく動きました。
✅ DHT22とESP32の接続
DHT22のピン | ESP32のピン | 役割 |
---|---|---|
VCC | 3.3Vまたは5V | 電源供給 |
GND | GND | グラウンド(マイナス) |
DATA | GPIO 4(例) | 温湿度データの出力 |
✅ 配線時の注意点
- DHT22のDATAピンにはプルアップ抵抗(4.7kΩ~10kΩ)が必要(内蔵されているモデルなら不要)
- ESP32の3.3Vまたは5VにDHT22のVCCを接続する(モデルによって異なる)
- GNDはESP32とDHT22の両方を共通のラインに接続する
配線が終わったら、USBケーブルでESP32をPCに接続し、次のステップに進みます。
③開発環境整備
ESP32にプログラムを書き込むために、Arduino IDEの環境を整えます。
✅ Arduino IDEの設定
- Arduino公式サイトからArduino IDEをダウンロード
- ESP32用のボードマネージャーを追加
- 「ファイル」→「環境設定」→ 追加のボードマネージャURL に以下を入力:arduinoコピーする編集する
https://dl.espressif.com/dl/package_esp32_index.json
- 「ツール」→「ボード」→「ボードマネージャ」から「esp32」を検索し、インストール
- 「ファイル」→「環境設定」→ 追加のボードマネージャURL に以下を入力:arduinoコピーする編集する
- ライブラリのインストール
- 「スケッチ」→「ライブラリを管理」→「DHT sensor library」と「Blynk」を検索してインストール
✅ ESP32がPCに認識されない場合の対処
- USBケーブルがデータ通信対応か確認(充電専用ケーブルでは認識されない)
- ESP32のドライバ(CP2102 / CH340)をインストール
④Blynkダッシュボード設計
Blynkアプリを使って、スマホ上で温湿度データを確認できるようにします。

皆さんが普段チェックする用の見やすい”画面”を設計する、ということです。
✅ Blynkの設定手順
- BlynkをPC/スマホアプリでインストール
- Blynkで新しいデバイスを作成
- 「Create New Device」をタップ
- 流れに沿って以下のように設定
Device Name(デバイス名):ESP32 Temp Monitor
Device Type(デバイスタイプ):ESP32
Connection Type(接続方法):Wi-Fi
- 「Create」ボタンをタップ
- 「Auth Token」が表示されるのでコピー(後でESP32のコードに使う)
- ウィジェット(温度や湿度をチェックする画面のことです)を追加
- 新しく作成したデバイスを開く
- 「+(Add Widget)」ボタンをタップ
- 「Gauge(ゲージ)」を2つ追加
- 1つ目: Temperature(温度用) → ピン V0 に設定
- 2つ目: Humidity(湿度用) → ピン V1 に設定
- 「Save」を押して保存
⑤プログラミング
Arduino IDEを使ってESP32にプログラムを書き込みます。
✅ 初心者の基本的な作業の進め方
- コードを入力し、Uploadする(画面左上にある矢印ボタン)
- もしエラーが表示されたら、スクショをとってChat GPTに質問。対処法を教えてもらう。
- エラーが表示されなかったら、「Tool」⇒「Serial Monitor」をクリックし、コードが問題なく動作しているか確認する
✅ 基本的なコードの流れ
- Wi-Fiに接続する設定(SSIDとパスワードを入力)
- DHT22のデータを取得する
- Blynkにデータを送信する
以下のコードは私がChat GPTと会話しながらつくってもらったもので、問題なく動作することを確認済です。こちらをArduino IDEに貼り付けて書き込みます。
※緑太字のところは書き換えてください
// Blynk 設定
#define BLYNK_TEMPLATE_ID "BLYNKで発行されたIDを入力"
#define BLYNK_TEMPLATE_NAME "BLYNKで設定したNAMEを入力"
#define BLYNK_AUTH_TOKEN "BLYNKで発行されたTOKENを入力"
#include <WiFi.h>
#include <BlynkSimpleEsp32.h>
#include <Adafruit_Sensor.h>
#include <DHT.h>
#include <DHT_U.h>
// Wi-Fi 設定
const char* ssid = "使用するWi-FiのSSIDを入力";
const char* password = "使用するWi-FiのPasswordを入力";
DHT dht(4, DHT22);
BlynkTimer timer;
// WiFi接続関数(再接続対応)
void connectWiFi() {
if (WiFi.status() != WL_CONNECTED) {
Serial.print("Reconnecting to WiFi...");
WiFi.begin(ssid, password);
int attempt = 0;
while (WiFi.status() != WL_CONNECTED && attempt < 10) {
delay(1000);
Serial.print(".");
attempt++;
}
if (WiFi.status() == WL_CONNECTED) {
Serial.println("\nWiFi Reconnected!");
} else {
Serial.println("\nWiFi Connection Failed!");
}
}
}
// Blynk接続関数(再接続対応)
void connectBlynk() {
if (!Blynk.connected()) {
Serial.println("Reconnecting to Blynk...");
Blynk.connect();
}
}
// センサーのデータ送信処理
void sendSensorData() {
float temperature = dht.readTemperature();
float humidity = dht.readHumidity();
if (isnan(temperature) || isnan(humidity)) {
Serial.println("Failed to read from DHT sensor!");
return;
}
Serial.print("Temperature: ");
Serial.print(temperature);
Serial.print(" °C | Humidity: ");
Serial.print(humidity);
Serial.println(" %");
Blynk.virtualWrite(V0, temperature);
Blynk.virtualWrite(V1, humidity);
}
void setup() {
Serial.begin(115200);
WiFi.begin(ssid, password);
while (WiFi.status() != WL_CONNECTED) {
delay(1000);
Serial.print(".");
}
Serial.println("\nWiFi Connected!");
Blynk.begin(BLYNK_AUTH_TOKEN, ssid, password);
dht.begin();
timer.setInterval(60000L, sendSensorData);
}
void loop() {
connectWiFi(); // WiFi再接続チェック
connectBlynk(); // Blynk再接続チェック
Blynk.run();
timer.run();
}

エラーがでたらすぐに生成AIに質問!
これを徹底すれば必ずできま!!

こんな感じでエラーのスクショをChat GPTに送って教えてもらっています
⑥結果確認
最後に、システムが正常に動作しているかを確認します。
✅ 動作チェック
- ESP32がWi-Fiに接続されているか(シリアルモニタで確認)
- Blynkアプリで温湿度データが表示されるか
- センサーが正しく動作しているか(異常値が出ていないか)
✅ トラブルシューティング
- Blynkにデータが表示されない → Wi-Fi設定・BLYNK_AUTH_TOKENを確認
- DHT22がデータを送らない → 配線ミス・プルアップ抵抗の有無を確認
主な留意点
温湿度管理システムをDIYする際には、いくつかの注意点があります。特に、Wi-Fi環境の有無、電源供給の方法、さらなる応用可能性については、事前にしっかりと考慮しておくことが重要です。ここでは、運用時に考慮すべきポイントを詳しく解説します。
Wi-Fi環境がない場所にセンサーを設置する場合、別途整備が必要
ESP32とBlynkを活用した温湿度管理システムは、基本的にWi-Fiを利用してデータを送信するため、インターネット環境が必須となります。しかし、自宅から遠く離れた農地やビニールハウスなど、Wi-Fiの電波が届かない場所にセンサーを設置する場合は、別途ネットワーク環境を整備する必要があります。
※育苗ハウス/簡易温室などを自宅の敷地内に設置している場合は、距離によりWi-Fiが届く可能性有
✅ Wi-Fi環境がない場合の対策
- 中継器を設置する
- 既存のWi-Fiルーターの電波が弱い場合は、中継器を設置して電波を拡張する方法が有効。
- モバイルWi-Fiルーターを利用する
- SIMカードを挿して使うタイプのモバイルルーターを導入すれば、インターネット環境がない場所でもデータ通信が可能。
- LoRa(長距離通信)やLTE-Mを活用
- Wi-Fi以外の通信技術(LoRaやLTE-M)を使うと、広範囲の環境モニタリングが可能になるが、導入コストがかかる。
事前にWi-Fiの電波強度を確認し、必要に応じて中継器やモバイルWi-Fiを導入することで、安定したデータ送信を確保できます。
モバイルバッテリーの充電が必要。ソーラーパネル式への応用も可
ESP32を屋外で運用する場合、コンセントがない場所ではモバイルバッテリーを使うのが一般的ですが、長期間運用する場合は電源の持続性を考慮する必要があります。
✅ モバイルバッテリー運用時のポイント
- 最低でも5,000mAhのバッテリーを用意する
- ESP32の消費電力はWi-Fi接続時に約100~250mA(1時間あたり約0.1~0.25Wh)
- 5,000mAh(約18.5Wh)のバッテリーなら連続で約2~3日間駆動可能
- 省電力モードを活用する
- ESP32のDeep Sleepモードを活用すれば、消費電力を大幅に抑えられる
- 例:1時間ごとにデータ送信し、それ以外はスリープ状態にする
✅ ソーラーパネルでの自動充電も可能
- 太陽光パネルとモバイルバッテリーを組み合わせることで、完全オフグリッド運用が可能
- 必要な構成:
- 5V対応のソーラーパネル(10W以上推奨)
- MPPT(最大電力点追従)対応の充電コントローラー
- バッテリー(USB出力付き)
ソーラーパネルを活用すれば、農地やビニールハウスのようなコンセントのない場所でも、電源切れの心配なく温湿度管理を継続できる。
温湿度に連動した簡易温室の自動開閉など、応用は無限大
温湿度データを取得するだけでなく、そのデータを活用して環境を自動制御するシステムに発展させることも可能です。
✅ 応用例①:温湿度に応じた換気制御
- 一定の温度を超えたら、自動でファンを回して換気する
- 湿度が高すぎる場合は、除湿機をオンにする
✅ 応用例②:簡易温室のジッパー自動開閉
- 温度が高くなりすぎたら、自動でジッパーを開けて温度調整
- 夜間に温度が下がると、自動で閉めて保温
✅ 応用例③:水やりの自動化
- 土壌の水分センサーと連携し、乾燥していたらポンプを動かして水やり
- 時間帯や天候データと組み合わせ、最適な水やりを自動化
✅ 応用例④:CO2・光量測定と連携した環境最適化
- CO2濃度が下がったら換気を制御し、光量と連携して成長を最適化
- スマート農業向けの総合管理システムに拡張可能
低コスト短時間で済むものはDIYして、P/Lのコストを抑制しよう
農業において、温湿度管理は欠かせない要素の一つです。しかし、市販のIoT温湿度管理システムは高価で、導入コストが大きな負担となることもあります。そこで、低コストで温湿度管理システムをDIYし、低コストで運用する方法を紹介しました。ESP32とDHT22を組み合わせ、Blynkを活用すれば、スマートフォンでリアルタイムにデータを確認でき、商用サービスと遜色のない環境モニタリングが実現できます。
また、DIYの最大のメリットは、単なるコスト削減だけではありません。IoTや生成AIを活用しながらシステムを構築することで、デジタル技術のリテラシーが向上し、農業の効率化や自動化につなげることができます。従来であればプログラミングや電子工作の知識が必須でしたが、現在では生成AIを活用することで、エラーの原因を即座に特定したり、コードの改善策を提案してもらうことも可能になっています。わからないことはすぐにAIに聞く、というスタイルを取り入れることで、初心者でもスムーズにシステムを構築できるでしょう。
さらに、今回紹介した温湿度管理システムは応用範囲が広く、換気制御や水やりの自動化、温室の開閉システムとの連携など、発展させることもできます。初めてのDIYに最適なこのプロジェクトを通じて、IoTと農業の融合に挑戦し、スマート農業の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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