【脱サラ就農に役立つ!】小規模農業の始め方と成功の秘訣

新規就農
新規就農者
新規就農者

農業を始めたいけど、初期投資にかなりのお金がかかりそう。。。
でも多くのビジネス系YouTuberたちはスモールスタート推し。
やっぱり初期投資がかからないITで副業や企業すべき?😢

こんな人のための記事です。

農業ってめちゃくちゃお金がかかりそうですよね。

トラクター、管理機、種まき機、収穫機、灌漑、各種資材(支柱・ネット・コンテナーなど)、
ビニールハウス、種苗費、土壌改良費、etc…

新規就農者
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ハウスだけで数百万円、トラクターなどの大型機械類も数百万円。
補助金や融資がなければとてもじゃないけど始められない💦💦

Biwako
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安易に補助金や融資に頼るのは危険です!
負債を抱えたまま離農することになっては大変😢

新規就農者
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やっぱり多額の元手を用意できる人以外は
農業には参入しない方がいいってこと?

Biwako
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確かに多額の資本で技術パッケージを導入できる人に有利な事業環境です。しかし、小規模農業で成功している農業経営体も存在します。
この記事では、小規模ながら全米トップクラスの収益性を誇る
Neversink Farmに学んでみましょう!

ニューヨーク州のNeversink Farmは、全米でもトップクラスの反収を誇る小規模農場です。わずか0.6ha (6,000㎡=約6反)で年間35万$ (訳5,300万円 ※1$=150円換算)の収益を上げた実績があります。その成功の鍵は、効率的な農場設計、収益性の高い作物選定、再投資を活用した成長戦略にあります。
※出所(Neversink Farm: Making farming easier

本記事では、Neversink Farmを運営するConor氏が語る具体的なノウハウを基に、小規模農業で成功するためのポイントを詳しく解説します。農業を「趣味」ではなく「ビジネス」として考える重要性、最適なスケールの見極め方、収益を最大化する作物選定のコツなど、脱サラして農業を始めたいと考える方に役立つ内容です。

農業をビジネスとして考える:意識改革の第一歩

「農業は趣味ではなくビジネス」:起業家としての心構え

Neversink FarmのConor氏は、農業を成功させるためには「趣味」と「ビジネス」を明確に区別することが不可欠だと強調します。「農業は単なる自己満足ではなく、利益を生み出す事業である」と彼は語ります。この意識の変革こそが、農業を持続可能な職業へと昇華させる第一歩です。

Conor氏が農場をスタートした当初、近隣の人々に野菜を無償で提供していたことがありました。しかし、収益性を考える際、この行為が農場経営に悪影響を与えることに気づきました。「隣人と良好な関係を築くことは重要ですが、それが収益を圧迫するなら、それは持続可能ではない」と彼は述べています。彼は、収益を確保しながらコミュニティと調和する方法を模索し、最終的に「農場経営は事業である」という明確な方針を打ち立てました。

農業をビジネスと見なすことで、経営者としての責任感が芽生えます。例えば、顧客に対する信頼を構築するためには、品質の安定性や迅速な納品が求められます。また、収支を明確にし、利益を意識した管理が必要です。Conor氏は、「農業経営者は、自分自身と家族を支える起業家であるという意識を持つべきだ」と語ります。

さらに、このビジネス的視点は、農業の社会的貢献をより意義深いものにします。「農場運営を効率的に行い、利益を出すことができれば、その収益の一部を環境保護や地域支援に回すことも可能になります」とConor氏は述べています。ビジネスの成功が、より広範な社会的な影響を生む土台となるのです。

趣味としての農業も価値がありますが、持続可能な農業を目指すなら、ビジネス的な視点が欠かせません。Neversink Farmの実践から学べるのは、起業家精神と効率性が農場経営を次のレベルに引き上げるということです。

Neversink Farmが実践するプロ意識:信頼と品質管理

公衆やお客様と自分たちの間に『柵』を維持し、これは農場であり、プロフェッショナルなビジネスであり、ただの立ち寄り場所ではなく、働いている農場であり、稼働しているビジネスだということを示す必要がありました

Conor氏は、農業を成功させる鍵は「プロ意識」にあると語ります。特に、顧客との信頼関係を築き、品質管理を徹底することが、持続可能な農場経営に直結するとしています。彼が農業を始めた初期には、自分たちのビジネスが近隣の家庭菜園のように見られることに課題を感じました。そこで、農場を市場のために生産するビジネスとして再定義し、外部からの見られ方を一新する取り組みを始めました。

プロ意識を持つことで、顧客に対する信頼が生まれます。Conor氏は、「お客様が信頼できる農場であることを示すには、安定した品質とサービスが重要だ」と述べています。収穫した野菜は必ずきれいに洗浄されている、適切な形で梱包されている、納品書や数量確認などの基本的な手続きにミスがない、などを徹底することで、顧客からの見え方が変わったのです。

小規模農業の最適なスケールと初期投資

小規模農業の適切な面積とは:反収を最大化する規模感

小規模農業の成功において、農場の規模を適切に設定することは極めて重要です。Neversink FarmのConor氏は、農業を始めた当初、約1エーカー(約40アール)からスタートしましたが、その後1.3エーカー(約52アール)に拡大し、最終的にはその規模を徐々に縮小しています。それでも生産量を維持している点が彼の戦略の秀逸さを物語っています。このように、小規模農業においては「反収(単位面積当たりの収益)」を最大化する規模感を見極めることが鍵となります。

Conor氏は「農場の規模が大きすぎると管理が難しくなり、収益性が低下する」と指摘します。彼の経験では、小規模でスタートすることで、作物の管理や土壌改良、作業の効率化に集中しやすくなると言います。また、小さい規模であれば初期投資やランニングコストを抑えることができるため、経営リスクを減らすことにも繋がります。例えば、初年度の段階では、0.5エーカー(約20アール)から始めることでも十分な収益を上げる可能性があります。

Biwako
Biwako

初年度20アール(2反≒2,000㎡)は思ったより小さい!😲
脱サラ農業系の本を読むと初年度1ha以上もある世界なので、
かなりイメージとギャップがありますね。

さらに、Conor氏は「農場が小さいほど、細部に目を配ることができる」と強調します。例えば、土壌の健康を維持しながら高収益作物を育てることで、限られた面積での収益性を最大化することが可能です。具体的には、年間を通じて複数の収穫を可能にする葉物野菜やキュウリのような高収益作物を優先して栽培することが効果的です。こうした作物は、栽培期間が短く、収穫頻度が高いため、反収を向上させるのに適しています。

適切な規模感の設定は、農業経営全体に大きな影響を与えます。無理に大きな規模に挑戦するのではなく、まずは小さく始めて安定した運営基盤を築くことが成功への第一歩です。その後、需要や管理能力に応じて規模を拡大していくことで、持続可能な経営が実現します。Neversink Farmのように、適切な規模で反収を最大化する戦略は、小規模農業を目指す人々にとって理想的なモデルと言えるでしょう。

初期費用の内訳:必要最低限の設備と優先順位

農業を始める際、初期費用をどこに重点的に配分するかは極めて重要な課題です。Neversink FarmのConor氏が強調するのは、初期投資を慎重に計画し、必要最低限の設備に集中することです。彼自身は初年度、30,000ドル(約450万円)の貯金を全額農業に投じ、その資金配分において多くの学びを得ました。

最初に優先したのは、地域の気候条件に対応できる設備の導入です。例えば、寒冷地であるニューヨーク州では、トマトなどの作物を守るために小型のビニールハウスを購入しました。また、作業効率を上げるために、土壌を耕すBCS(小型二輪トラクター)も購入しましたが、彼は後に「この購入は長期的には不要だった」と述べています。その理由は、2年目以降にNo-Till(不耕起)栽培に切り替えたからです。この経験から、全ての設備が必要ではないことを学びました。

また、初期費用を抑えるため、無駄な贅沢を避け、必要最低限の道具や資材に集中しました。Conor氏は「洗浄ステーションや冷蔵施設のような高度な設備は、初年度には持たず、稼ぎが出た後に少しずつ導入していった」と語っています。こうした段階的な投資が、無理のない資金運用を可能にしました。

さらに、苗の育成には土壌ブロックメイカー(ブロック状の苗床を作るツール)を使用し、初期費用を節約しました。これにより、購入済みの種や肥料に集中して予算を割り振ることができました。また、効率的な資金の使い方として、中古のハウスや道具を購入し、自分たちで組み立てたり修繕したりする方法も挙げられます。

Conor氏の初期投資における経験は、新規就農者にとって大いに参考になります。初期費用は計画的に、必要最低限の設備から始め、後から段階的に拡充していくアプローチが、持続可能な農業経営の基盤を築く鍵となるでしょう。

農場設計の基本と効率化のポイント

Neversink Farm流レイアウト設計:機能性と美観の両立

Neversink Farmでは、効率的な農場レイアウトを設計する際に、機能性と美観の両立が重視されました。Conor氏が農場設計に取り組む際、最初に行ったのは「農場全体を一目で俯瞰できる場所に立つこと」だったと言います。彼らは農場の中心であるバーン(納屋)を起点に、どのように道路や畑、設備を配置するかを決定しました。道路を敷設する際には「クレッシャーラン」という砕石を使用し、自力で整備を行いました。このように、手間を惜しまない姿勢が設計段階でも一貫していました。

また、美観の要素も重要視されました。「農場に訪れる顧客が最初に目にする景色を大切にする」と彼は語っています。例えば、訪問者が楽しめるように花やハーブを農場の入り口近くに配置しました。一方で、効率性を損なわないために、畑は岩が少ない場所に配置されました。こうした「効率性と美観のバランス」は、Neversink Farmのレイアウト設計の特徴であり、訪問者への好印象を与える要因の一つです。

このような設計により、農場は見た目にも美しく、効率的に運営できる空間となっています。Conor氏のアドバイスは、「計画段階で長期的な視点を持つこと」。たとえば、将来的に設備を追加する場合の配管や電気設備の拡張も考慮に入れて設計することを推奨しています。効率と美観を両立させた設計こそが、農場の成功を支える基盤なのです。

効率的な動線を考慮した設備配置

Neversink Farmの効率的な動線設計は、生産性を最大化するための重要な要素です。Conor氏は、「野菜を畑から洗浄ステーションへ、そしてコールドルームに移動するまでの距離を最小限に抑えることが効率化の鍵」と述べています。彼は農場設計時、各設備の距離感を最適化し、作業者の移動時間を削減しました。

具体例として、洗浄ステーションとコールドルームを直線的に配置し、移動をスムーズにしました。これにより、収穫後の野菜を迅速に冷却し、鮮度を保つことが可能になりました。また、道路の設計も重要なポイントでした。「冬季の雪かきが容易になるように、主要な施設を結ぶ道路を計画的に配置した」と彼は述べています。

さらに、効率的な動線設計は、季節労働者のトレーニング時間の短縮にも貢献しています。動線が明確であれば、新しい作業者もすぐに効率的に動けるようになるからです。「農場内のすべての動きが無駄なく連動するように設計することが、生産性向上の鍵」とConor氏は語ります。

Neversink Farmの例から学べるのは、効率的な動線設計が労働コストの削減や作業効率の向上に直結するという点です。これは、農場の収益性を高めるための重要な要素と言えるでしょう。

ご指摘ありがとうございます。ご要望にすべて応えられなかったことをお詫び申し上げます。依頼をスムーズに進めるため、以下のようなポイントに気をつけていただけると、より円滑に対応が可能です。

収益性を高める農業経営戦

年間売上40万ドルを可能にする高収益作物の選び方

Neversink Farmが全米トップクラスの反収を実現している理由の一つは、収益性の高い作物の選定にあります。Conor氏は、「作物ごとの収益性を正確に把握し、最も収益を上げる作物に集中することが成功の鍵」と述べています。具体的には、葉物野菜やキュウリなど、高単価かつ短期間で収穫可能な作物を優先的に栽培しています。

彼はまた、「季節外れの作物を栽培することで市場競争力を高める」ことの重要性も強調します。例えば、冬季や春先に収穫可能な作物を育てることで、競合が少ない時期に高い価格で販売することが可能になります。この戦略により、年間を通じて安定した収益を確保できるのです。

さらに、Conor氏は「早期市場投入」の重要性を挙げています。市場に出回る前に収穫を始めることで、顧客の信頼を獲得し、高い価格を維持することができます。このような収益性重視の戦略が、Neversink Farmの成功を支えているのです。

スプラウト&マイクログリーンの可能性

Neversink Farmでは、スプラウト(発芽野菜)やマイクログリーン(微小野菜)の栽培も収益向上に寄与しています。「マイクログリーンは非常に高い収益性を持つ作物で、小規模農業に最適」とConor氏は述べています。たとえば、30×50フィート(約4.5×15m)の温室でマイクログリーンを栽培するだけで、年間10万ドル(約1,500万円)以上の売上を達成可能です。

これらの作物は、成長が早く、栽培面積あたりの収益性が高いため、小規模農業の重要な収益源となります。また、室内栽培が可能なため、天候に左右されずに生産を続けることができます。「マイクログリーンの栽培は、限られたスペースを最大限に活用するための理想的な方法」とConor氏は強調します。

さらに、これらの作物は高級レストランや健康志向の顧客に人気があり、安定した需要が見込めます。Neversink Farmの成功例を参考にすることで、小規模農場でも収益性を高める新たな可能性を探ることができるでしょう。

売上の50%を再投資:成長を加速させる仕組み

Neversink Farmの成功の鍵の一つは、売上の約50%を事業に再投資している点にあります。Conor氏は、「事業の成長を加速させるためには、利益をただ貯蓄するのではなく、積極的に再投資することが重要」と強調しています。この再投資は、単なる拡張ではなく、生産性と効率性の向上を目的としています。

具体例として、農場の初期段階では、設備の改良や新しいツールの購入に重点が置かれました。例えば、収益が上がるたびに、最初は小さな温室(ハウス)を購入し、次第にその規模を拡大しました。また、洗浄ステーションやコールドルームといったインフラの整備も、初期の利益を元手に進められました。「労働時間を削減し、作業効率を高めることは、長期的に見れば最も大きな利益をもたらす投資」とConor氏は述べています。

さらに、再投資は設備だけでなく、土壌改良やスタッフの教育にも向けられました。高品質な土壌を維持するために、有機肥料や改良剤への投資が欠かせません。また、スタッフのスキルを向上させることで、生産性を上げるだけでなく、作業の質を高めることにもつながりました。

一方、利益を個人の消費に使うことには慎重であるべきだと彼はアドバイスします。「利益をテレビや車の購入に使うのではなく、農場の将来に向けて投資することで、税制上のメリットも得られる」と指摘しています。これにより、余剰資金を効率的に事業成長へと結びつけることが可能です。

再投資による成長は、長期的に見れば収益を安定させるだけでなく、競争力を維持するための最良の手段となります。Neversink Farmの事例から学べるのは、売上の再投資が単なる経営判断以上に、持続可能な農場運営を支える基盤であるということです。

プロ意識を持った上で、「思っているよりも」小さく始めるべき

前半の意識に関するパートにおけるConer氏の主張は「プロフェッショナルなビジネスとしてきちんと線を引くべし」という趣旨のものでしたが、これは筆者にもグサりと刺さるものでした。

趣味の家庭菜園からお金を稼ぐための農業に移行する際、自らの農業をプロフェッショナルなものとして見せるのは難しいものです。なぜなら移行期には技術・インフラなどあらゆる面でプロとしては不完全で自信がないから。そこで半ば言い訳的に「まだ始めたばかりですから」とハードルを下げたくなってしまいます。そうしてハードルを下げると自分がラクなのです。

しかしそれではダメだということがわかります。例えまだ中身が追い付いていなかったとしても、プロとしての意識を持ち、自らにプレッシャーをかけ、高い品質へと駆り立てていかなければなりません。

後半のパートは一言で言えばスモールスタートの勧めでした。
新規就農に際しては地域の先輩方が色々と声をかけてくれるものですが、Coner氏ほどP/L上のマージンにこだわったスタンスの人には出会いませんでした。皆さん当然反収を意識されているわけですが、マージンを積み増す手段として圃場の拡大が筆頭オプションとして出てくるようなイメージです。

(私がいた)コンサルティング業界だと、マージンの拡大手段は以下の3つの要素に分解します。
① 人員の稼働率 (畑で言えば、単位面積あたりの販売数)
② Pricing (畑で言えば、商品の単価)
③ 人員の絶対数 (畑で言えば、圃場の面積)

①②を疎かにしたまま③に走ると収益性は悪化します。当然のことです。
①②でベストを尽くした上で取りこぼしているDemandに対応するためにようやく③に手を付けるべき。

ビジネスにおけるこの当たり前を、漫然と農業界に足を踏み入れると忘れてしまいそうになります。
しかしながら、安易に圃場を拡大しては収益こそ拡大するかもしれませんが、マージンを棄損することを忘れてはなりません。Coner氏の指摘する通り、「思っているよりも」小さく始めるべきなのです。

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